まわりみち

放課後

放課後。

「琴乃、クラブ行こうよ」

「杏子は元気だね」

「えっ、どうして?」

「朝にあんなことがあっても、前を向いてるじゃん」

「そうかな…。あっ、遙祐」

「何?」

「また明日ね」

「あぁ、また明日」

「オレには?」

「特に」

「え〜」

「杏子、差別はいけないよ」

「琴乃、今日は言わないだけ。朝に散々からかわれたし」

「まだ根に持ってんの?子供だ…」

「透、クラブに遅れる」

遙祐が透の耳を引っ張っていた。

「いててっ」

「じゃあ2人ともまた明日」

「ばいばい」

遙祐は透を引きずって教室を出ていった。

「2人とも仲良いね」

「本当」

「早く行こう」

「わかってる」

琴乃の手を引いて部室まで走る。
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