先生、もっと抱きしめて
「それより、道、こっちでいいの?」

「あ、さっき過ぎちゃった……」

「え?言ってくれよ(笑)」

マツタクは笑っているけど、本心で笑ってないのは、わかる。

だって……。

マツタク、すごくさみしそうだよ。
私なんかより、ずっと、つらそうだよ。

「泣いていいよ、先生」

「泣かないよ、三好みたいな泣き虫じゃないし。まず、生徒の前なんかで泣くわけないじゃん」

「何で?私のこと、慰めてくれたのに……」

私だって、先生の役に立てれば、って。
心からそう、思ってるんだけど……。

暗がりの道に出た。

ここからは山につながる道。
昼間は遠足でバスが止まる場所だけど、夜は何も見えない。
ここの道を上がっていけば、夜景で有名なスポットがある。
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