狼社長の溺愛から逃げられません!
これは夢の続きだと思った。
綺麗に着飾られて、眩しいライトの中で社長とダンスを踊った。あの夢みたいな出来事の続きだ。
改めてバスルームから見える夜景に見惚れていると、ガラスに薄っすらと反射した自分の姿に社長が近づいてくるのが見えた。
とんと肩に触れられ思わず身をすくめると、首筋にキスをされた。
「ん……っ」
社長の唇の感触に、ぞくぞくと肌があわだつ。
どうしよう。肌に社長の唇がふれるだけで、甘えた声がもれそうになる。
全身をこわばらせ必死で口をつぐむ私を面白がるように、社長は私の肩からうなじへ唇を這わせながら時折甘く歯を立てる。
「やっ、しゃ……ちょ……、待って……っ!」
首筋を舌でなぞられて、泣きそうな声をあげてしまう。
社長は楽しげに吐息だけで笑いながら、私の着ているドレスの背中のファスナーを一気に下げた。
「ひゃっ!?」
すみれ色のドレスがすとんと足元に落ち、驚いて叫ぶ。
「い、いきなりなにするんですか……っ!?」
こんな明るいところでいきなり服をぬがすなんて!!
「なんつう叫び声だよ。色気ねぇな」
背中を丸くして必死で両腕で体を隠す私に、社長は楽しげにくすくすと笑った。