狼社長の溺愛から逃げられません!
その指の感触にとりろと緊張がほどけ、眠たくなってくる。
私が小さくあくびをすると、髪をなでていた社長の腕がぱたりと枕に落ちた。
視線だけをあげて社長の顔を見ると、すうすうと吐息をたてて眠っていた。
寝ぼけていたのかな……。
起こさないように気をつけながら社長のことを見る。
寝ぼけていて無意識なのに私を抱きしめてくれたことが嬉しくて、胸がくすぐったい。
「社長、だいすきです……」
決して聞こえないように、小さな声でそうつぶやく。
これはただのご褒美じゃなくて、社長も私のことを少しは好きでいてくれてるって、うぬぼれてもいいですか……?