狼社長の溺愛から逃げられません!
 

「これ、篠原紗英さんと小笠原さんですか……!?」

みんな若いけど、しっかりと今の面影がある。
まだ垢抜けてない初々しい女の子といった感じの紗英さんと、無邪気に笑う小笠原さんが並んでいた。

四人ともとても仲が良さそうだ。

「え、美月ちゃん。紗英と小笠原のことも知ってるの?」

驚く私に如月監督が首をかしげる。

「えっと、紗英さんはテレビでみたことしかないんですけど、小笠原さんはこの前映画の評論のことでお会いして」

私がそう言葉を濁すと、監督は小さく肩を上げた。

「小笠原にいじめられた?」
「いじめられたというか、ちょっと……」

私の表情に監督はなんとなく事情を悟ったのか、あきれたようにため息をつく。

「あいつは前から黒瀬のことライバル視してるから、美月ちゃんにもきつくあたったんでしょ」
「いえ……」

誤魔化すように首を振り、顔を上げる。

「みなさん同じ配給会社で働いていたんですか?」


 
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