狼社長の溺愛から逃げられません!
「危なっかしいことなんてしてませんよ」
そう言うと、呆れたようにため息をつく。
「その無自覚なところがだよ」
うんざりしたように言った社長が、私の手から小さな箱を取り上げる。
中から指輪を持ち上げると、さっさと手を出せとあごをしゃくった。
恐る恐る右手を出すと、迷わず薬指に通される。
キラキラ光る薬指の指輪。それを見下ろしながら幸せで泣きそうになる。
「好きです、社長……」
涙声でつぶやくと、社長は「ん」と頷いてキスをしてくれた。
「大好きです、本当に」
「俺も」
広いベッドに押し倒されて、見上げれば社長の顔があった。
「好きだよ」
耳元で囁かれ、すぐに唇を塞がれた。
幸せで泣きそうになる。
あふれた涙をぬぐおうとすると薬指に光るリングが目に入って、嬉しくてまた泣けた。