狼社長の溺愛から逃げられません!
7
お昼休憩の時間。
オフィスで買ってきたサンドイッチを食べていると、すみっこで華絵さんと古賀さんが肩を寄せ合ってなにかを話しているのが見えた。
なにをこそこそしてるんだろうと思いながら首をかしげる。
「古賀。美月ちゃんの薬指のリング、いくらくらいすると思う?」
「えっと、宝石もついてないしシンプルなデザインだし、これらいですかね」
「馬鹿者! そんなわけないでしょうが! これくらいはするわよ!!」
「え、そんなにするんですか……!?」
華絵さんの手元を見て、古賀さんが固まっていた。
「ふたりでなにを話してるんですか?」
不思議に思って声をかけると、古賀さんがさらに硬直した。
その横で華絵さんはほがらかに笑う。
「ううん。ただの世間話だよ」
「そうですか……?」
なんだかへんな空気だな、と思いながら首をかしげる。
「そういえば、『ルイーズ』ついに公開したね。はじめてひとりで宣伝を担当した映画を送り出した気持ちはどう?」