狼社長の溺愛から逃げられません!
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「彼氏に振られて、社長にキスされたぁ!?」
叫んだ華絵さんの前で、私は頭を抱えてテーブルにつっぷす。
「たった一日で、なにがどうなってそんなことに!?」
そんなこと聞かれたってこまる。むしろ私が聞きたいくらいだ。
涙目で華絵さんのことを見上げると、これ以上私に聞いても無駄だと悟ったのか、ふぅーっとため息をついてメニューを開く。
努に振られ、社長にキスをされた次の日。
あまりの衝撃事件連発にひとりでは抱えきれなくて、私は会社の先輩の華絵さんをランチに誘い、会社の近くのカフェで話を聞いてもらっていた。
日替わりのパスタがつくランチセットが人気で、いつも賑わっているよく行くお店だ。
「まぁ、あの彼氏と別れたのは仕方ないけどねぇ……」
そう言いながら、華絵さんは「私はこれ食べようかなー」なんてメニューを指でなぞる。
「美月ちゃんはいつもの?」
そう聞かれ、メニューも開かずにうなずく。