狼社長の溺愛から逃げられません!
 

「ごめんね。あとで古賀にちょっと説教しておくわ」
「なんだかよくわかんないですけど、華絵さんと古賀さんって姉弟みたいに仲良しですよね」
「あんなヘタレな弟いらないわ」

華絵さんがなにに怒っているのか分からなくて、私は首をかしげた。

そんな話をしているうちに、注文した料理が届き「いただきます」と手を合わせる。
私がカルボナーラを食べようとパスタをフォークに巻きつけ口に入れたときに、華絵さんがおもむろに口を開いた。

「……で、社長とのキスはどうだった?」

急にそう問われ、口の中の物を吹き出しそうになる。
ゴホゴホと咳き込みながら涙目で華絵さんのことを見ると、テーブルに頬杖をつきぐっと身を乗り出してきた。

「そんな動揺しちゃうくらい激しいキスだった?」
「ち……、ちがいます……!」

慌てて首を振り説明をする。

「は、激しくなんかないです。強引だけどちょっと触れるくらいの、感じで……」

なんて言いながら昨日のキスを思い出して、火が出そうなほど頬が熱くなる。

 
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