【完】雨ふって、恋、始まる。
通信制ってなんだろう。
「美琴は、いくつなの」
「15だよ」
「12くらいかと思ってた」
「それじゃわたし、小学生じゃん……!!」
ほんとだね、とセイくんは笑った。笑い方、上品だなぁ。男の子って、もっとほら、大きな声出したり大笑いするようなイメージがあったが、見事に覆された。
「わたしの部屋、なにもなくて退屈じゃない? リビングにおりたらテレビあるよ」
「いらない」
「テレビ……見ないの?」
「わざわざ見たくないかな」
「わかる! お母さんもわたしも、滅多につけないよ。お父さんがゴルフチャンネル見るのがほとんど」
周りの子は、毎日のようにドラマの話とか音楽番組の話をしてるみたいだけど、わたしにはサッパリ。
「そっか。それで美琴は……」
「え?」
「……なんでもない」
なんだろう。
「普段なにしてるの?」
「そうだなー。学校のある日は帰ってきたら宿題して、それから遊んでるよ」
「遊ぶって?」
「絵を描くのが好きなの」
「漫画とか?」
「漫画も描くよ。あと、スケッチとか」
「……へぇ。いいね」
「セイくんは? お休みの日なにしてる?」