【完】雨ふって、恋、始まる。
学校にいくと、やっぱり男子が朝から教育実習できた美人大学生の話をしていた。
わたしは、スケッチブックを取り出してえんぴつを握る。
まぶたは、くっきりと二重で、切れ長の目で。
すっと高い鼻に……
そうだ、目元にほくろがあった。そのせいで、余計に色っぽく見えたのだと今更ながらに思う。
「美琴、なにかいてるの?」
友達の梨衣菜が、スケッチブックを覗いてくる。
「えっとね、この人は__」「わかった。星くんだ」
__え?
「星くんだよね?」
「なんで……」
「そっくりだもん! さすが美琴」
なんで、セイくんのこと知ってるの?
「梨衣菜、会ったことあるの?」
「まさかぁ。でも、全部持ってるよ」
「なにを」
「CD」
……は?
「なんのCD?」