【完】雨ふって、恋、始まる。
それから、わたしは月に一度、星くんにファンレターを出すようになった。
読んでもらえているかはわからない。きっと膨大な数だから。
なんたって、今をときめく人気アイドルグループのメンバーだ。
セイくんは、フェロモン系アイドルとして名高いみたいで、個人でもCMのお仕事したり、雑誌の表紙を飾っているらしい。
それを知ってからは、わたしはセイくんの出るテレビは見るようになったし、CDも買ったし、雑誌だって部屋に飾ってる。
今でも信じられない。あの雨の日に出会ったのが、こんなにも大人気アイドルだったなんて。
高校生になっても、セイくんの追っかけを続けた。といっても、イベントやコンサートに顔を出したことはない。
あくまで、テレビの画面ごしに、セイくんの活躍を見守っていた。
近づいていいか、わからなかったし
セイくんを想っているのはわたしだけかもしれないから__。