【完】雨ふって、恋、始まる。
#02 雨夜の出来事


#02 雨夜の出来事




家に帰るとエプロン姿のお母さんがキッチンにいたので、エプロンを引っ張って玄関まで連れてきて


少年と対面させたはいいが、さてこの状況をどう説明しようかと混乱してるあいだにお母さんと少年が会話を始めた。


「まぁまぁ、ずぶ濡れね」お母さんから差し出されたタオルを受け取ると、少年はこういった。


「ありがとうございます、お姉さん」


__!?


「やだ、もうおばさんよ」

「そんなこと、ないです」


なに、このやりとり。お母さん、まんざらでもない様子で喜んでるし。頬に手をあてて、柄にもなく照れている。


「申し遅れました。僕は、九条 星といいます。突然お邪魔してすみません」

「セイくんね。こんなカッコいいボーイフレンドがいるなら教えてよぉ」


さっき、帰り道に出会っただけだよ!?


「あのね、荷物、持ってもらったの」

「そうなの? ありがとうね~」

「では、僕はこれで」

「待って。あがってかない?」


__はい?



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