幼なじみとさくらんぼ7/8
ハチの胸元に頭を押し付けられて、どっちの鼓動だか分からない心臓の音がやけにうるさい。
「ハ、ハチ!寝ぼけてる場合じゃないよ!」
付き合う前はこんなの日常茶飯事だったのに、
ハチが彼氏になって私の感覚はやっぱり変わってしまった。
いちいちドキドキするというか……。
平常心ではいられないことが多すぎて逆にやりづらい。
ハチの腕を振りほどくこともできずに、そんなことを考えているとクスリと何故か笑い声。
ゆっくりと顔を上げると、寝ていたはずのハチの目が開いていて。しかも寝起きの気だるそうな顔じゃない。
「おはよう、ナナ」
……こいつ起きてたな。
朝から振り回されることにはなれてるけど、わざとこういうことをするのは心臓に悪いからやめてほしい。