幼なじみとさくらんぼ7/8


「おはよー。八島」

真後ろの下駄箱ではハチの友達の田村くんが登校してきて、ふたり仲良く肩を並べている。


「岡崎さんもおはよ」

「うん。田村くんおはよう」

男友達がいない私にとって田村くんも貴重な存在だ。

変わらない学校生活で、周りの人にも恵まれていて。これ以上のものを望んだら罰が当たるぐらい私は充実している。


「じゃあ、またあとで」

廊下を歩くだけで目立つハチは3組の教室へ。
そして私は隣の2組へと入った。


一応、学年が変わると同時にクラス替えがあったけど、私は奇跡的に裕子と一緒になれてハチもまた田村くんと一緒のクラス。

クラスメイトたちの顔触れは変わったけど、私としては1年生の時の延期みたいな気持ちで過ごしている。


「本当は八島くんと同じクラスになりたかったでしょ」

自分の席にカバンを置きながら裕子が言った。


「いやあ、クラスまで一緒だったら本当に24時間ハチといることになっちゃうよ」

「はいはい。朝からノロケ話ご馳走さま」

「ち、違うよ!」

裕子は恋愛の先輩で、大学生の彼氏ともうすぐ3年になるというから本当に尊敬する。
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