幼なじみとさくらんぼ7/8


それから1限目と2限目が過ぎて休み時間。裕子はカバンからお菓子を取り出して、それを私の机に置いた。


「あ、これハチが食べたいって言ってたやつだ!」

たまたまテレビを見てたらCMが流れて、ハチは本当に犬のように目を輝かせていた。

「七海も食べていいよ」

「あー、でも最近2キロ増えたんだよね……」

「ダイエット?」

「うーん。まあ、夏だしさあ」

「ふーん。で?八島くんとどこまで進んでんの?」

「……ゲホッ!」

裕子からのいきなりの質問に飲んでいたお茶を溢した。しかも気管に入って咳が止まらない。


「ゲホゲホッ……っ、え?進んだとは?」

やっと息が吸えて私は呼吸を整えた。


「だからエ……」

「いい!やっぱりいいです!分かってるから!」

暑いのは季節のせいなのか、なんなのか。

体温はプラス2℃くらい上昇して、私はノートでパタパタと自分の顔を仰いだ。
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