幼なじみとさくらんぼ7/8
あの寒空の下でキスをして付き合うことになってから半年。はっきりと言えばなにも進んでない。
ハチがふざけて「ちゅー」なんて言って小鳥のようなキスは何回かした。むしろ、それだけでも十分だし私的には大きな進歩なんだけど……。
「四六時中一緒にいるからてっきり」
なぜか裕子が残念な顔。
「い、いや、仮になにかあったら私は真っ先に裕子に言うよ!」
「それもそうだね」
あはは、と空気が和んだところで、気づけば私はお菓子をつまみ食い。ポリポリと食べながら窓の外に目を向けると中庭にハチの姿。
噂はしたけど、くしゃみはしてない様子。
それどころかハチはまた後輩に捕まっていて、
きっと田村くんと日向ぼっこでもしてたんだろうけど、その周りには沢山の女子たちがいた。