幼なじみとさくらんぼ7/8


あの寒空の下でキスをして付き合うことになってから半年。はっきりと言えばなにも進んでない。

ハチがふざけて「ちゅー」なんて言って小鳥のようなキスは何回かした。むしろ、それだけでも十分だし私的には大きな進歩なんだけど……。


「四六時中一緒にいるからてっきり」

なぜか裕子が残念な顔。


「い、いや、仮になにかあったら私は真っ先に裕子に言うよ!」

「それもそうだね」

あはは、と空気が和んだところで、気づけば私はお菓子をつまみ食い。ポリポリと食べながら窓の外に目を向けると中庭にハチの姿。

噂はしたけど、くしゃみはしてない様子。

それどころかハチはまた後輩に捕まっていて、
きっと田村くんと日向ぼっこでもしてたんだろうけど、その周りには沢山の女子たちがいた。
< 8 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop