過去形はきっと、全てが思い出
『次は、3年1組です。劇、異能力者達の戦い〜深淵より出し強者の魂〜、どうぞ!』
アナウンスが入る。
やはり何度聞いても恥ずかしくなるな…。

「20xx年、うまれつき異能力をもつ子供が稀に生まれるようになった……。そして、彼らもその二人であった。敵のアジトに潜入したが、捕まってしまったのだった。」
毎回思うが、あらすじ省略しすぎじゃないか……?
「くっそ!」
「栄太!早く能力を発動して!」
「やろうとしてる!だか、この手錠の物質か何かが妨害して、発動できない!!」
「くっ……そんな……栄太の大砲なら一発なのに!」
「ふ、そこまでのようだな、寒田葵」
「!?栄太、どうしたの!」
「栄太はもういないさ……」
「えっ」
『そう、彼は敵の能力によって、中身を入れ替えられてしまったのです』
「ふふふふ、はははは!やっと手に入れたぞ、最強の血を!肉体を!」
「その台詞、何処かで……!そんな!ラスボスが来るなんてっ!しかも一人で戦うことになるわ…!」
「くっ……やむを得ないわ。一人だとしても勝ってみせる!」
『カーン』『チャキーン』
葵が刀(勿論小道具)を振り回す。そこを俺は避けつつ、定番の首を手でストッ!
『バタリ』
葵が気絶。
「ふっ、これで邪魔者は居なくなったな……」
「待て!」
「!?貴様は……!」
『ズドドドド!』
もう一人の男子が出て来て、大きな剣を振りかざし。
「うわぁぁぁー!」
はーい、一発でさようならー。もはや、俺の最強設定は数秒で崩壊なのである。
『こうして、なんやかんやあって、敵のせんめつに成功し、世界の平和は保たれたのでしたー』
なんやかんやって、まとめすぎだろ!
ま、時間の問題があるしな。そっとしておくことにする。

*****

「皆、今日はお疲れ様!なかなかに評判いいのよー。帰ったら、11時間は寝るように!」
「「「もはや寝るしか出来ない!?」」」
「ま、冗談だ。はい、解散!」
「「「うぇーい!」」」

よし、帰ろう。一刻も早く学校を出ないと、何を言われるか分からんからな。
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