いつかの涙をずっと
ごくんっ、とつばを飲む音が聞こえる。
「だから、俺と付き合いませんか、、?」
心臓が、ギュッと苦しくなった。
鼓動がさっきよりも、より一層早く脈打つ。
「でも、私、彼氏が………」
そうだよ、私には、翔がいるんだよ、、、
「彼氏よりも、俺の方が、瑠奈のこと幸せに、出来るって言っても?」
「っっ!」
じんわりと、目頭が熱くなって、目から雫がこぼれる。
「瑠奈、、俺にしなよ。」
かすれた声で呟く奏斗は、悲しそうに言った。
ずるい。
本当は、自分の気持ちに気づいてるくせに、気づかないフリをしている、自分はずるい。
本当は、どうしたいのかなんて、答えは出てるのに。
答えは、喉まででかかっているのに、なかなか言葉が出なかった。
代わりに出たのは、
「少し、考えさせてください、」
だった。
考えるなんて、今さら何を。
答えは出てるじゃん。
その夜は、いくら目をつぶっても、なかなか眠りにはつけなかった。