いつかの涙をずっと
電話

しだいに、奏斗とやりとりする日が多くなって、

少しずつ、私は奏斗のことを、信用し始めていた。



「って、私は何やってんだか……」



翔は相変わらず返事がこないし、受験勉強もやる気がおきない。



「翔、忙しいのかな、、、」



夏休みがもうすぐ、終わるというのに、まだ1度も遊びに行っていない。



「遊ぼうねって言ったじゃん、」


大きなため息をついて、いつものように、ゴロンとベットに横になった。




そんなに心配なら、自分からLIMEを送ればいいのだが、立て続けに送るのは、なんか待ってる気がして悔しい。




「翔のばか。」




ボソッと呟いた私の言葉は、誰に届くでもなく、虚しく空をきった。




ピロンと通知音がなって、スマホが光った。



LIMEだ。翔かな、、




淡い期待を抱きながらLIMEを開くと、




「なんだ、奏斗か。」




軽くショックを受けながら、奏斗のトークを開く。



"彼氏からLIMEきた( ˙◊˙ )?"

相変わらず、変な顔文字を使う奏斗。



「変なの。」


呆れながらも、上がる口角。


なんだかんだで、この毎日続くやりとりが、楽しくて仕方ないことに、


私は気づかないフリをしている。


だって、気づいてしまったら、







きっと、





ぶんぶんと勢いよく、首を左右にふる。



「なわけないじゃん!」




そうだ。そんなこと、あるわけない。



あってはならないのだ。



"ううん。まだきてないよ。"



"そっか、、なぁ、"








< 4 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop