いつかの涙をずっと
電話
しだいに、奏斗とやりとりする日が多くなって、
少しずつ、私は奏斗のことを、信用し始めていた。
「って、私は何やってんだか……」
翔は相変わらず返事がこないし、受験勉強もやる気がおきない。
「翔、忙しいのかな、、、」
夏休みがもうすぐ、終わるというのに、まだ1度も遊びに行っていない。
「遊ぼうねって言ったじゃん、」
大きなため息をついて、いつものように、ゴロンとベットに横になった。
そんなに心配なら、自分からLIMEを送ればいいのだが、立て続けに送るのは、なんか待ってる気がして悔しい。
「翔のばか。」
ボソッと呟いた私の言葉は、誰に届くでもなく、虚しく空をきった。
ピロンと通知音がなって、スマホが光った。
LIMEだ。翔かな、、
淡い期待を抱きながらLIMEを開くと、
「なんだ、奏斗か。」
軽くショックを受けながら、奏斗のトークを開く。
"彼氏からLIMEきた( ˙◊˙ )?"
相変わらず、変な顔文字を使う奏斗。
「変なの。」
呆れながらも、上がる口角。
なんだかんだで、この毎日続くやりとりが、楽しくて仕方ないことに、
私は気づかないフリをしている。
だって、気づいてしまったら、
きっと、
ぶんぶんと勢いよく、首を左右にふる。
「なわけないじゃん!」
そうだ。そんなこと、あるわけない。
あってはならないのだ。
"ううん。まだきてないよ。"
"そっか、、なぁ、"