いじめっ子には愛の鎖を





「あたしは……や、です」



小声で告げたあたしに、



「お前、喧嘩売ってんのか」



相変わらず荒々しく告げる淳太君。

それでも結局はあたしの意見を尊重してくれて、



「まぁ、時間はたっぷりあるからな」



天を仰ぎながらそう告げる。

そして不覚にもその伸ばされた首元にどきんとしてしまった。




「ま、公表すると俺が処女マニアの変態になるし。

茶番がバレるし」




淳太君はそう吐いてバルコニーの扉を開けた。




「行くぞ、藤井。

仕事がたんまり残っている」


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