いじめっ子には愛の鎖を








デスクに戻ると小林さんが淳太君を待っていた。

そして、あたしを見て意味深な笑みを浮かべる。

綺麗な上に小悪魔っぽくてドキッとした。

それとともに劣等感を感じる。

あたしの元へは赤木さんが来て、元祖赤鬼は仕事の話でもするのかと思いきや、



「藤井さん、今井君と何を話していたんだ?」



なんて聞き始める。

その言葉にビクッと飛び上がるあたし。

キスしていましたなんて言えるはずもない。




「偶然そこで会っただけですよ」




面倒そうにバルコニーのほうを指差しながら淳太君が言う。

そんな淳太君を、赤木さんはなかなか解放しない。


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