いじめっ子には愛の鎖を






「藤井さんも、赤木さんと付き合ったらどうですか?」




岡部君がまたあたしをからかった。




「処女と童貞同士、お似合いですよ」




さすがのあたしも言いたい放題の岡部君に苛ついてきて、とうとう言ってしまった。




「あたし、処女じゃないもん」





オフィスが静かになる。

そして、


パリーン……


すぐ隣から何かが割れる音がした。




慌てて横を見ると、淳太君のコップが真っ二つに割れていた。

そして、濁った緑茶が床を濡らしていた。



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