いじめっ子には愛の鎖を
6. いじめっ子と二回目の夜
仕事がたまっているため、九時近くまで残業をして帰った。
家に帰ると淳太君はすっかりくつろいでいて、テレビを見ながら爆笑していた。
「のび華知ってるか?
今話題の『玄芸人』」
「は?」
「お前の父親のマネするやつ」
「え!?」
そんな人がいることなんて、全然知らなかった。
だいいち芸人には興味がなかった。
画面の中を見ると、なんとなくお父さんと背格好の似た男性がいて、ドラムのスティックを両手に持っていて。
おもむろにそれを股間に当て、
「俺のスティック!」
なんて言い始める。
その様子にぽかーんとなる。