いじめっ子には愛の鎖を




今ももしかしたら、両思い……なのかもしれない。

だけどいきなり襲われるだなんて。

あたしは心の準備なんて出来ていない。

それに、あの日の記憶が蘇る。

ベッドの軋む音に、狂ったような女の声、そして素っ裸で出てきた淳太君。

あたしには無理だ、色んな意味で無理だ!






真っ赤な顔のあたしに、



「とりあえず良かったね、桃華」



梨乃が笑顔で言う。

その言葉に大きく頷いていた。





淳太君の反応がどうであれ、あたしは今日この日を待ちわびていた。

三年間の辛抱が、甘くて幸せな日々に変わるのだろうか。


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