いじめっ子には愛の鎖を
淳太君はボディーソープのいい香りがした。
ほんのり髪が濡れていて、顔にぺたんと張り付いていて、その無防備な感じがまたあたしの胸をくすぐる。
あたしを抱きしめる腕はあの頃と同じで、優しく力強く、ぎゅうぎゅうとあたしを締め付ける。
真っ赤な顔で上を向くと、淳太君と瞳がぶつかって、さらに顔に血が上る。
「淳太君、おかえり」
震える声で告げるあたしを見て、淳太君は嬉しそうに笑った。
その笑顔にまた焦げてしまった。
「なぁ、桃華」
淳太君は甘い低い声であたしに聞く。
「俺のこと、まだ好きか?」
吐息が耳にかかり、ぞわっとする。
こくりと頷いたら、そっと唇を重ねた。