いじめっ子には愛の鎖を
淳太君は右手でそっとあたしの頰に触れる。
そこがじんわり熱を持つ。
「俺は確かに軽い男だった。
美智香と別れたのも、俺が浮気をしたからだ」
あたしは驚いて淳太君を見た。
淳太君はすごく悲しそうで、泣いているのではないかという瞳であたしを見る。
至って静かに話すのだが、その言葉は悲鳴のようにあたしを抉った。
「それがあって、俺は美智香に頭が上がらない。
当時は全く気にしなかったが、今なら分かる。
俺はあいつをすげぇ傷つけたってことが」
「そうなんだ……」