いじめっ子には愛の鎖を





震える淳太君の髪にそっと触れる。

柔らかくて滑らかで、少しワックスが付いて固まっているその髪にきゅんとする。

淳太君はまるで子犬のように目を細め、あたしの手にもたれかかる。






「桃華……好きなんだ。



……愛してるんだ」






淳太君は泣きそうな顔であたしを見て、そっと唇を重ねる。

甘くて切ないそっと触れるだけのキスだった。



< 193 / 235 >

この作品をシェア

pagetop