いじめっ子には愛の鎖を






だが、




「あー。今井君はどこに行ったのかな。

この僕が変な気を起こして、今井君にもコーヒーを淹れてあげたのに」




赤木さんは散らかっている淳太君の机の上に、あたしにくれたものと同じコーヒーセットを置いた。

そんな赤木さんをぽかーんと見ていた。

赤木さんはどうしてしまったのだろう。

淳太君のことを嫌っていて、昨日の一件でさらに嫌いになっただろうに!






そんなことを言っているうちに、電話を持った淳太君が帰ってくる。

そんな淳太君を見た瞬間胸が熱くなると同時に、ちくりと痛んだ。

だって、淳太君の綺麗な左頬はガーゼを貼って隠しているものの、青く変色して腫れ上がっていたから。

赤木さんはこれを見て、コーヒーでも淹れたのだろう。

そしてあたしは、罪悪感を拭えなかった。


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