いじめっ子には愛の鎖を






それなのに、



「藤井、おはよう」



彼はいつものように挨拶し、あたしは飛び上がりそうになる。




「お……おはようございます……」



震える声で挨拶するあたしをよそに、



「岡部」



彼は腕を組み、ふんぞり返って岡部君を呼ぶ。

岡部君は淳太君を見て言葉を失ったが……

淳太君は岡部君に告げる。




「俺は今日、外回りの仕事がある。

でも見ての通り負傷中だ。

お前が美智香と行ってこい」



「えぇ!?」



岡部君が素っ頓狂な声を上げる。




「なんで俺が?

てか、顔だけでしょ?

今井さんが行くべきですよ。

いつもイチャコラしている小林さんと二人っきりですよ?」


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