いじめっ子には愛の鎖を








そんな訳で、小林さんと赤木さんの問題は、ようやく解決した。

小林さんと赤木さんのおかげで、お互いのことをさらに好きになり、理解出来たようにさえ思えた。






長い仕事を終え、鞄を持って立ち上がるあたしに、



「藤井、帰るのか」



淳太君が聞く。




「……帰ります。

でも、今井さんとは帰りません」




かあっと紅くなって意地悪するあたしに、



「そんなこと言うなよ」



淳太君は平気な顔で言う。

そんな淳太君を見て思った。




出会った頃は、あたしを下僕としか見ていなかった淳太君。

酷い言葉を罵られたり、あたしを陥れようとしたりした。

だけど、今はまっすぐにあたしと向き合ってくれる。

大嫌いだった淳太君はいつの間にかあたしだけを大切にしてくれる恋人になっていた。



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