いじめっ子には愛の鎖を
「じゃああたし、ラーメン食べたいです」
「は?ラーメン?」
「カップラーメンじゃないラーメンがいいです」
「お前……ラーメンって……」
淳太君はあたしの手をぎゅっと引き、耳元でそっと囁く。
「恋人同士がラーメンなんて、色気ないだろ」
熱い吐息が耳にかかり、その声がやたら色っぽくて、腰を抜かしそうになる。
あたしはまだまだ淳太君に慣れない。
それでも淳太君はあたしの手を離し、
「仕方ねぇな。
ラーメン食いに行くぞ」
鞄を持って歩き出す。
そんな淳太君の後を慌てて追った。