いじめっ子には愛の鎖を




「じゃああたし、ラーメン食べたいです」



「は?ラーメン?」



「カップラーメンじゃないラーメンがいいです」



「お前……ラーメンって……」




淳太君はあたしの手をぎゅっと引き、耳元でそっと囁く。




「恋人同士がラーメンなんて、色気ないだろ」




熱い吐息が耳にかかり、その声がやたら色っぽくて、腰を抜かしそうになる。

あたしはまだまだ淳太君に慣れない。






それでも淳太君はあたしの手を離し、



「仕方ねぇな。

ラーメン食いに行くぞ」



鞄を持って歩き出す。

そんな淳太君の後を慌てて追った。


< 209 / 235 >

この作品をシェア

pagetop