いじめっ子には愛の鎖を





ー桃華sideー






「桃華さんと結婚させてください」




その言葉に耳を疑う。

あたしはぽかーんとしたまま、淳太君を見ていた。




また、冗談を言ってるの?

からかってるの?

そう思ったが、淳太君は真剣だ。

まっすぐな瞳でお父さんを見ていた。





部屋の中に気まずい沈黙が訪れる。

あたしは口をパクパクさせたまま淳太君を見ていて、淳太君は緊張した面持ちでお父さんを見ている。

お母さんが「まぁ」と声を上げ……





「とりあえず、ケーキでも食べるか?」




お父さんがキッチンから大きなホールケーキを持って歩いてきた。

真っ白な生クリームケーキの上にマカロンや様々なベリーが乗っていて、とても美味しそうだ。


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