いじめっ子には愛の鎖を
淳太君の両親は、勉強しか出来ないあたしを歓迎してくれた。
そして、あたしの両親は……
嬉しそうに、だけど寂しそうに涙を拭いていた。
お父さんが泣くところを初めて見て、胸が痛んだ。
そしてあたしも両親と一緒に泣いていた。
結婚準備をしていく上で、昔の写真を見返したことがあった。
そこにはいつもあたしと斗真と笑顔の両親がいて。
あー、こんなところに旅行に行ったなとか、こんなイベントがあったなとか懐かしい思い出に耽った。
それと同時に、両親にたくさん愛を注がれて大きくなったことを実感した。
あたしは、こうも大切に育てられたんだ。
こうも愛されながら育てられたんだ。
これからはあたしが人に愛を渡す番だ。
淳太君、そして将来生まれるかもしれない子供に精一杯の愛情を注ぎ、藤井家に負けない幸せな家族を作ろうと思った。
「お父さん、お母さん。
今までありがとう」
涙をこぼすあたしの頭を、お母さんが優しく撫でる。
あたしは二人の子供に生まれて、すごく幸せでした。