いじめっ子には愛の鎖を

「だって……初めてだったのに……」





言葉にすると、我慢していた感情が一気に溢れ出す。

それが涙となって、ぽろぽろと頰を溢れ落ちた。





「初めてだったのに……全然優しくなかった。

ドキドキする間もなかった。

もっとゆっくり時間をかけて、ちゃんと好きって言って、許し合って、それから……」





我ながら面倒な女だと思う。

そんな女性をお姫様扱いしてくれる男性になんて、そうそう巡り合えないだろう。

そして、淳太君がそんなタイプでないことくらいすぐに分かる。

きっと、淳太君もあたしの妄想を面倒だと思っただろう。

だけど、あたしを抱きしめたままその涙を拭い、静かに告げる。




「分かった。次からすげぇ優しくするから。

俺自身が引くくらい大切にするから。

だから……もうそんなに泣くな。

お前に泣かれると切なくなる」