いじめっ子には愛の鎖を





極力淳太君を見ずに過ごす。

そして、岡部君は新人のくせに給仕なんてするはずもないから、あたしが皿を下げたりビールを注いだりしていた。





「藤井さんは気が利くね。

いい妻になるだろう。

焼酎の水割りを作ってくれたまえ」




そう言う赤木さんに、むしゃくしゃしたあたしは、恐ろしく濃い焼酎の水割りを作ってやる。

そしてはいどうぞと差し出すと、それをごくりと飲み干した。





「赤木さん、度を超えるとセクハラになりますよ」




岡部君、たまにはいいこと言うじゃん!

そう思うが、



「ま、藤井さん東大のくせに馬鹿だから、笑ってセクハラを受けそうですが」



当然のごとくあたしに牙を剥く。


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