いじめっ子には愛の鎖を




小林さんは相変わらず煌びやかな服を着ていた。

細身のジャケットに、ミニ丈のタイトスカート。

スカートから覗く足は白くて美しい。

あたしには到底マネできない服装だ。

そして素敵ネイルにバッチリメイク。

存在の違いをありありと見せつけられているようだった。





そんな小林さんだが……





「あなたでしょ?淳太の彼女って」




予想外の言葉に固まってしまった。

鼓動がありえないくらい速い。

あたしは、彼女に知られるのを一番恐れていたのだ。

違います、そう言いたいのに声が出ない。

虎に睨まれた兎のように、ただ小林さんを見ていた。



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