いじめっ子には愛の鎖を
ー淳太sideー
俺は缶コーヒーを飲みながら空を見上げた。
青い四角い空から降り注ぐ太陽は、暖かく俺を照らしている。
赤道直下のシンガポールとは違い、幾分柔らかい太陽の光だ。
そんな光を浴びて、日本に帰ってきたことを実感した。
シンガポールにいる間中、ずっと桃華のことを考えていた。
赤木さんをはじめ、変な男に取られていないかとか、どんな女になっただろうとか。
そして久しぶりに会った桃華は、俺の想像をはるかに超えたいい女になっていた。