いじめっ子には愛の鎖を





「あたし、藤井さんに意地悪しちゃった」




美智香は楽しそうに言う。




「淳太があまりにも大切にするから、藤井さんに嫉妬しちゃった」





彼女はそう言って煙草の火を消した。

そしてバルコニーから出て行った。

一人になった俺は柵にもたれかかり、天を仰ぐ。




俺は桃華が好きだ。

自分自身に戸惑うほど好きが溢れてきて、制御が効かないくらいに。

大切な桃華を、二度と離したくないと思った。


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