いじめっ子には愛の鎖を
ー桃華sideー
岡部君が布巾を洗わないから、代わりにあたしが洗った。
そしてそれをバルコニーに干しに行く。
バルコニーの扉を開けた瞬間、大好きな背中がそこにあった。
そして微かに香る煙草の香り。
思わず扉を閉めようとしたあたしの手を、ぎゅっと握られる。
そして否応無しに引っ張り込まれた。
思わず倒れそうになったあたしを、優しく抱きとめる淳太君。
身体が一瞬で火を吹いて、
「今井さん、駄目です!」
慌てて突き放した。
いけない、ここはオフィスだ。
そう思うのに鼓動は速く胸は熱い。