好きな人が現れても……
二年目の春、紺野君はそのまま営業部に残り、私は庶務課へと転属されて離れた。
時々オフィス全体の新年会や夏の親睦会で会うことはあったけど、ゆっくり話す機会もないまま、今日久しぶりの再会を果たしたのだ。
席をクジで決めた後、椅子に座ると向かい側が紺野君だった。
知ってる顔で良かったな…と思ってると、杏梨ちゃんが、彼と知り合い?と聞いてくる。
さっき話し込んでたのを見てたのだろう。
「うん。新人時代に同じチームで営業してたの」
そう教えると、いいなぁ…と羨ましがられた。
「彼、営業部の紺野君でしょ?背高くてそれなりにイケメンでモテるんだよね。そんな人と顔見知りなんて、もしかして二人、付き合ってるとかアリ?」
「ないない。それだけは。だって紺野君彼女いるし」
「ええー、でも、この合コン、彼女持ちは誘わないルールだよ?だからいないんじゃない?」
「えっ…そうなの?でも、一年目の頃は確かにいたけど…」
「別れたんじゃない?だって、二年くらい前のことでしょう?居たのって」
「う、うん…」
時々オフィス全体の新年会や夏の親睦会で会うことはあったけど、ゆっくり話す機会もないまま、今日久しぶりの再会を果たしたのだ。
席をクジで決めた後、椅子に座ると向かい側が紺野君だった。
知ってる顔で良かったな…と思ってると、杏梨ちゃんが、彼と知り合い?と聞いてくる。
さっき話し込んでたのを見てたのだろう。
「うん。新人時代に同じチームで営業してたの」
そう教えると、いいなぁ…と羨ましがられた。
「彼、営業部の紺野君でしょ?背高くてそれなりにイケメンでモテるんだよね。そんな人と顔見知りなんて、もしかして二人、付き合ってるとかアリ?」
「ないない。それだけは。だって紺野君彼女いるし」
「ええー、でも、この合コン、彼女持ちは誘わないルールだよ?だからいないんじゃない?」
「えっ…そうなの?でも、一年目の頃は確かにいたけど…」
「別れたんじゃない?だって、二年くらい前のことでしょう?居たのって」
「う、うん…」