好きな人が現れても……
そうなのかな…と思っているうちに合コンは始まり、サラダやスープ、パスタやピザなんかを食べながら自己紹介をしたり、フリートークしたりした。


紺野君は確かにモテるらしくて、私と話してても気軽に他の女子が割り込んでくる。

私は別に彼と特別話したい訳でもないから、直ぐに席を譲って逃げた。


ちらりと目線を配ると、彼の方も嫌がらずに誰とでも話し合ってる。
杏梨ちゃんは彼のことが気に入ったらしく、甲斐甲斐しくお酒や料理を運んでた。

私は男性と話すのが苦手でもないけど、この表情の乏しさからか、話しかけてくれる人も少なくて、おかげで料理がゆっくり味わえていいわ〜とのんびり構えてた。


二時間程度の退屈すぎる時間を終えて、満腹になった胃袋を撫りながら駅へと向かい始める。

杏梨ちゃん達は紺野君や他の男性達に声をかけ、二次会のセッティングをしてた。
皆、結構飲んでたのによくまぁお酒がそんなに入るよね…と関心しきりで歩いてると……

軽快に走ってくる足音が聞こえ、道を譲るつもりで歩道の端へ避けた。


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