好きな人が現れても……
未来は貴方のために
横山葉月に思いをぶつけられた週末、真央の幼稚園で親子クッキング教室が開かれた。
二人で揃いのエプロンを身に付けて参加すれば、周囲の先生や親達から「いいですねー」と羨望の眼差しを受ける。
このエプロンは亡くなった千恵が生前に作ったものだ。
妊娠中にお腹の子が女の子だと分かり、義母に布を買ってきてと頼んで縫っていた。
『私が生きてたら娘と一緒に着るの』
頑張って生きるわ…と張りきっていたが、願いは無情にも届かず、その意思を俺が引き継いでる。
少し横幅は足りないが、それは致し方のないことだ。
横山が教えてくれたギョーザは、大きな失敗もなく出来上がった。
「いつもお料理されてるんですか?」
担任の先生に聞かれ、いえ、これは作り方を部下に教わりました、と答えたら……
「まぁ!真央ちゃんパパも隅に置けませんね」
そう言って笑われた。
隅に置けない…という言葉に引っ掛かりを覚えながら食べ終え、帰ろうと車に乗り込んだら電話が入った。
「もしもし、貴大さん?」
二人で揃いのエプロンを身に付けて参加すれば、周囲の先生や親達から「いいですねー」と羨望の眼差しを受ける。
このエプロンは亡くなった千恵が生前に作ったものだ。
妊娠中にお腹の子が女の子だと分かり、義母に布を買ってきてと頼んで縫っていた。
『私が生きてたら娘と一緒に着るの』
頑張って生きるわ…と張りきっていたが、願いは無情にも届かず、その意思を俺が引き継いでる。
少し横幅は足りないが、それは致し方のないことだ。
横山が教えてくれたギョーザは、大きな失敗もなく出来上がった。
「いつもお料理されてるんですか?」
担任の先生に聞かれ、いえ、これは作り方を部下に教わりました、と答えたら……
「まぁ!真央ちゃんパパも隅に置けませんね」
そう言って笑われた。
隅に置けない…という言葉に引っ掛かりを覚えながら食べ終え、帰ろうと車に乗り込んだら電話が入った。
「もしもし、貴大さん?」