好きな人が現れても……
今正に問題を胸に抱いてるんだけど…と思いつつ、その時はどうかよろしく…と笑って歩きだした。



各部署を回って庶務課へ戻ると、デスク上の仕事を黙々と片付けてる課長の姿を見つける。


彼に熱い視線を向けるのも罪なような気持ちがしてきて、直ぐにさっと視線を逸らした。


今年の親睦会に課長は参加するのだろうか。

幹事としては出ないと格好がつかないところだけど、家庭第一主義のような人だから、はっきり出るかどうかも伺えない。


出てくれたらお酌ついでに話ができる。
あわよくば、いつかの忘年会みたいに二人きりで帰れるかもしれない。


願ってもいけないことを胸に秘めたまま日が過ぎて、夏の親睦会当日が来たーーー。


< 26 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop