好きな人が現れても……
「ところで、さっき言いかけた話の続き。
そのクッキング教室で家庭の自慢料理を作ることになってるんだけど、俺は料理はほぼ出来ないし、その日だけはどうしてもおばあちゃんじゃイヤだ…と娘が言い張って困ってるんだ」
「はあ」
課長の話に納得して頷く。
子供の中にも見栄みたいなものがあるのだと思う。
お友達の家からはお母さんやお父さんが出て来るのに、自分だけはおばあちゃんじゃ冴えない。
そう思ったら姪の愛由でもイヤだと言いだしそうだ。
「それで、申し訳ないんだけど横山さんに簡単にできる料理を教えて欲しい。なるべく包丁を使わずに済んで、調理も簡単なもの」
「ええーっ」
私にですか?と指を差すと、目の前で頼む、と手を合わされた。
「こういうので親を頼るのは嫌なんだ。毎日の食事だけでも申し訳ないと思ってるのに」
それは仕方ないんじゃないの!?と思い、でも…とやはり躊躇う。
教えるのはいい。
課長のお願いだし、触れ合いが増えるのだから嬉しい。
でも、子供さん絡み。
それが少しだけ複雑。
「駄目か。だったら誰か別の人に頼むか」
そのクッキング教室で家庭の自慢料理を作ることになってるんだけど、俺は料理はほぼ出来ないし、その日だけはどうしてもおばあちゃんじゃイヤだ…と娘が言い張って困ってるんだ」
「はあ」
課長の話に納得して頷く。
子供の中にも見栄みたいなものがあるのだと思う。
お友達の家からはお母さんやお父さんが出て来るのに、自分だけはおばあちゃんじゃ冴えない。
そう思ったら姪の愛由でもイヤだと言いだしそうだ。
「それで、申し訳ないんだけど横山さんに簡単にできる料理を教えて欲しい。なるべく包丁を使わずに済んで、調理も簡単なもの」
「ええーっ」
私にですか?と指を差すと、目の前で頼む、と手を合わされた。
「こういうので親を頼るのは嫌なんだ。毎日の食事だけでも申し訳ないと思ってるのに」
それは仕方ないんじゃないの!?と思い、でも…とやはり躊躇う。
教えるのはいい。
課長のお願いだし、触れ合いが増えるのだから嬉しい。
でも、子供さん絡み。
それが少しだけ複雑。
「駄目か。だったら誰か別の人に頼むか」