いつかまた。【完】
「宝」
後ろから懐かしい声が聞こえてきた
振り返ると、そこには父の姿があった
「ど、どうし…て?まだ入院してるって」
なんで、なんで…
「驚いたか?宝や幸子に会いたくてぬけてきたんだ」
そう言って近づいてくる父
怖い…
「どうしてそんな事するの?まだ薬物から抜けられてないんでしょ?」
「宝は厳しいな。もう父さんは大丈夫だよ。薬なんてやってない、だから父さんを許してくれ」
何を言ってるの
「あんたがやった事は一生許されない。お願いだから病院に戻ってよ!」
「そんなこと言うなよ…あ!幸子」
父はそう言って私の後ろを指さした
振り返ると、パチンコ帰りの幸子がいた