羽をくれた君へ。
先生そんなの分かってるよ。


でも、


もう眠い。


「あっ、脈下がってきました!!」


看護師の声が微かに聞こえる。


そして、急に廊下がバタバタとうるさくなる。


そして、バンッと扉を開けたのは智兄。


その後からリクと美紅さんと・・・・・・母さん?


なんだ。


来ないと思ったのに。


「魁音!!・・・・・お前、今日大丈夫って言ったじゃねーかよ!!」


ごめんね、智兄。


つーか、怒ってんの初めて見たよ。


「魁音!!お前、今日ギター渡したのに意味ねーじゃねーか。ちゃんと、俺の前で弾けよっ!!」


リク。


泣いてんじゃん。


カッコわりぃ。


でも、リク。


ありがとう。


「・・・・・・・・・っ、魁音!新作作ったんだよ!!味見またしてくれるでしょ?いつもみたいにっ、・・・・・不味いって言ってよ!!」


美紅さん。


不味いって言っていいのかよ。


いつもと逆のこと言ってるじゃん。


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