羽をくれた君へ。
「え?・・・・・・何で?」


「・・・・・・・それは、これを読めば分かるんじゃないかな。」


そう言って渡されたのは折られた紙と、1冊のノート。


「俺は待合室にいるから。なんかあったら呼んで。・・・・・・・・・魁音を恨まないであげて。」



それだけ言って病室を出ていった。


私はその場に立ち尽くしたまま。


何分かして、私は折られた紙を開いた。



━━━━━━━
雫へ。


急に手紙なんてびっくりした?


もしかして、怒ってる?


泣いてなければそれでいいや。


雫、俺はもういません。


この手紙は智兄に頼んでました。


最初に、雫に内緒にしていた俺の秘密を今ここで言います。


俺は雫に出会った年の夏、余命宣告を受けた。


その期間は1年。


だから、これでも長生きしたんだぜ!!


なんてな、本当はもっと生きたかった。


俺が1年経っても生きられたのは雫のおかげなんだ。


雫に出会うまで俺は毎日適当に生きてた。


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