羽をくれた君へ。
あっ、もう一つ秘密あったわ。


俺ね、高校行ってない。


雫はいつも来るの早いって言ってたけど。


騙したみたいになってごめん。


午前中は病院かスタジオに行ってた。


それで、話を戻すと、雫に会うまで俺はギターしかやってなかった。


生きる意味が無かったから、大好きなギター弾いて死ねればいいかなって。


だけど、雫が俺の前に現れて、生きる意味を見つけた。


雫の声は人を惹きつける。


俺もその1人。


初めて会った時から俺は雫がプロになれればいいな、俺がプロになれるくらいにしてやるって、思った。


素人のくせに何言ってんだよって言われたらそれまでなんだけど。


だから、ロックフェス行った時迷いながらも雫がプロになりたいって言って、俺めっちゃ嬉しかった。


俺とやりたいって言った時死ぬほど嬉しかった。


でも、次に思ったのはその約束を俺は守れないってこと。


だから、苦しかった。


俺が普通の人で健康だったら、素直に喜べただろうな。


そん時キラキラ笑う雫の笑顔が俺には眩しかった。


そんな時、リクにその話をした。


リクには俺が出来ることをやれって言われた。


だから、俺は雫をプロになれるくらい凄い奴にしたいって思った。


それが俺がやりたいことだって。

< 155 / 183 >

この作品をシェア

pagetop