羽をくれた君へ。
どこまでも行ける、羽がある。


俺には見えたよ。


だから、絶対夢を諦めないで。


俺の夢でもあるんだから。


俺は見てるから。


雫のことを。


雫。


自分の羽を広げろ。


誰よりも高く飛べ。



魁音より


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長い長い手紙に私の涙が零れる。


魁音。


魁音。


私1人じゃ何も出来ないよ。


だって、ずっとずっと私の前を歩いてたのは魁音じゃん。


私を置いてどこまでも行くのは魁音じゃん。


なんだよ。


私の顔見たかったって。


だったら言えばいいのに。


入院してる事も教えてくれなくて、勝手にどこかに行っちゃって。


自分勝手だよ。


ねぇ、魁音。


私は手紙をぎゅっと握りしめる。


すると、最後の紙の裏になにか書かれているのに気づいた。



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忘れるところだった。


ノート。


それは雫が夢を叶えたら、もし良かったら使ってほしい。


俺の最初で最後の・・・・・・・


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そこで文字は切れていた。

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